2013/07/09

ロープのエッジテストについて

一昨日、沢に行ってきたのですが、エッジの鋭い岩角が多かったためか、
結構ロープを傷めてしまいました。
買い替えを考えてあれやこれや見ていたら、
「エーデルワイスのロープはエッジテスト合格品」との記載があちこちにありました。
エッジでやられたのだから、やっぱりエッジテスト合格品を買いたい、
そうすればエッジにも強いんだろう、と思って、ポチッとなぁ、と。。。

いや、ポチッとなぁ、する前に、エッジテストしてる他社製品はないのか、
もっと安いのはないのだろうか、とあれやこれや調べておりましたw
その時比較していた他社のロープとエーデルワイスの金額の差は5000円。
60mを2人で買って折半する予定なので、1人2500円の差。
安全が一番だけど、同じ安全なら安いほうがいいですよねw

で、色々調べているうちに、深みにハマってしまいました。
というか、大変なことに気付いてしまったのですw

エーデルワイスの正規輸入元はこんなことを書いてます。
記載されてるページ
http://www.tomoekasei.com/contents/edelweiss.html


エッジ・セフティ岩角テスト
2008年エーデルワイスロープはシャープ10.5m/m、8.5m/m、エクストリーム9m/m、オキシジェン8.2m/mが岩角テスト合格ロープです。
1984年世界で初めて、岩角テスト(角度90°、エッジ角R=0.75mm)合格のロープ。ストラトス以後、シャープ(10.5mm,8.5mm)に続いて2005年エクストリーム9mm、2006年オキシジェン8.2mmも合格しました。最近では、各メーカーも岩角テスト合格として発売されていますが、多くはUIAAテストに適合しない為、再度の検討をされているのが現状です。
エーデルワイスは完全な適合商品です。




だけど、エーデルリッドの正規輸入元はこんなことを書いてるし。
記載されてるページ(PDF)
http://www.alteria.co.jp/download/pdf/catalogue/Edelrid-Rope-11.pdf



シャープエッジテストについて:
UIAA(国際アルピニスト協会)シャープエッジテストは、UIAA 認定の試験機関の間で試験方法に関して技術的な違いが認められたため、2004 年に中止されました。
従ってエーデルリッドでは、UIAA シャープエッジテストと同様の内容を持つドイツ連邦軍の定めるシャープエッジエスト(例:TL 4020‑0016)を用い、検証しています




ええええ?じゃあどっちを信じたらいいの?Σ(゚Д゚) ということになり。w
早速あちこち調べ回ってまいりました。
結論から言うと、エーデルリッドが正しいことを書いています。
エーデルワイスは厳密には間違いではないかもだけど、書き方がかなり恣意的です。

このことを調べてるうちに、ダイナミックロープの安全テストについてもkwskなったのでw
ついでにまとめとして書いてしまいます。

1.ロープの安全基準は2つある。
1つは、欧州の基準であるEN892という条項。テスト方式などが決められている。
もう1つは、アメリカ等欧州外の国のメーカーも含むUIAAの定める基準であるUIAA101条。
UIAA101条はEN892とほとんど変わりないようです。ロープのマーキングについての規定とか細かいいくつかの部分だけがちょっと違うだけで、安全面はほとんど変わらないようです。

2.ENにしてもUIAAにしても、ロープの安全性は、「落下実験(対衝撃実験)」と、荷重実験(重いものを吊るして伸びきらないか)と、表皮のズレ実験(ロープを引く時に表皮が極端にずれないか)の3本から成り立っているようです。
たとえば、UIAAの実験はこれ。対落下衝撃実験。
http://theuiaa.org/upload_area/pictorial_files/UIAA101-Dynamic-Mountaineering-Ropes_1.jpg
もう1つがこれ。荷重実験と表皮のズレ実験。
http://theuiaa.org/upload_area/pictorial_files/UIAA101-Dynamic-Mountaineering-Ropes_2.jpg

ENも似たようなやり方でテストしています。

3.以上のことから、ロープを買う時は、EN892か、UIAA(101)か、どちらかのマークがついていれば安心と思って間違いなさそうです。たとえば私が今回ダメにしたロープはEN892のマークがついていました。(両方の認証をとってるところもあります。)

4.ではエッジテエストはどうなのか。
エッジテストに関しては、UIAAの108条で規定されていることがわかりました。
ただし、そのUIAA108条は、2004年に凍結(サスペンド)されています。
これが正式なUIAAの通知。(PDF)
http://www.theuiaa.org/upload_area/files/1/Important_notice-_UIAA_Safety_Standard_108_suspended%280%29%281%29.pdf

これはエーデルリッドのHPにある通りでした。
あとから調べたら、ベアールのHPにも記載がありました。
http://bealplanet.com/sport/anglais/at.php

・・・エーデルワイス、ちょっとやり方がヤラシイですね。w

まあそれはさておき、ではこの中止されたエッジテストの内容はといえば。
108条はここにありました。
チェコのロープメーカー、シンギングロック社のHPです。
http://www.singingrock.com/dynamic-rope-testing-sharp-edge-resistant-and-t-edge

これによれば、テストの内容は、EN892の対衝撃実験と同じ装置で行い、
ただし、ロープの支点を丸みを帯びたものではなく、直角の金属でとる、というものでした。
(上記ページの上から3つめの図を参照ください)
で、このテストに1回耐えられたらエッジテスト合格!というラベルが貼られたようです。

しかし、UIAAの安全委員会の一員であったシンギングロック社では
このシャープエッジテスト(垂直落下)はあまり現実味がないと考え、
もっとリアルの外岩で起きる可能性がある、
「落下時にロープが鋭いエッジの上を斜めに通過したらどうなるか」
についての実験方法を開発し、ロープトラバーステスト(Tテスト)と名付けました。
そしてドイツで1度そのテストをやってみたのですが、
まぁ実験方法もまだ改良の余地があったとは言うものの、
参加したすべての会社の10.5mmのロープが切断されてしまい、
無事に生き残ったロープはなかったそうです。
その後、このテストについて言及するメーカーはなく、
このテストが再度試されることもなくなってしまったそうです。
まあ、つまり、そこまではロープ会社も面倒見きれんよ、ということなのかしら。(^_^;)

******

と、言うわけで、結論としては、UIAAのエッジテストは、
2002年から2004年まではやっていたし、認証もしていたが、
今はやっていません。
でも、UIAAのそのテストと同じ内容のテストを自主的にやってる会社があり、
現時点でわかっているのは、下記の通りです。

実施している→ エーデルワイス、エーデルリッド、ベアール
HPに記載なし→ マムート、テンドン、シンギングロック、ロックエンパイア

******

ツイッターで教えていただいたサイトがあり、追記します。
平成20年度事故情報の評価・分析及び事故防止モニタノング
ー登山用ロープ技術基準作成調査-(経産省)(PDF)
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2009fy01/0019542.pdf
そこからの引用。(P17-P18)

(7)UIAAlO8の動向及び制定根拠等について
UIAAlO8については2004年7月1日以降試験の適用が中止
(suspended=保留・当面停止)されている。
UIAAのWeb Sit eで公表された書面によると、その理由としで
’試験機開聞のデータのばらつぎ’とされている。
しかし、実際には、むしろ”耐シャープエッジ性能を求める
こと自体がロープにとって意味がないとの疑義があるこど’
が最大の理由であると聴取できた。
すなわち、ナイロンロープはシヤープエッジで切断することが前提であり、
対シャープエッジ性能の規定自体が意味がない
との指摘がある。

現在市場に出まわっているロープのほとんどのせん断衝撃性能は、
技術基準の規定値である1,470Nを1割以上も上越っており、
せん断衝撃性能規定の有無に関わらず実質的にはこの規定に適合するものである。

なお、一時期耐シャープエッジに優れているというロープも出回ったが、
とても扱いにくく使用に耐えなかったことがある
ことも要因の1つであると付け加えられた。


引用以上



以上、自分のためにまとめてみたのですが、参考になれば幸いです。
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